契約書レビューの重要性 - 中小企業が見落としがちなリスクポイント
執筆: 山田 誠一(代表弁護士)
はじめに
「取引先から送られてきた契約書にそのままサインした」「契約書なしで口約束で取引を始めた」――中小企業では、こうしたケースが珍しくありません。
しかし、契約書のチェックを怠ったために、後から大きなトラブルに発展するケースは数多くあります。この記事では、中小企業の経営者様が注意すべき契約書のポイントを解説します。
なぜ契約書レビューが重要なのか
契約書は、取引のルールブックです。トラブルが発生した際に、どちらに責任があり、どのように解決するかを定めたものです。
契約書がない場合、あるいは不利な契約書にサインしてしまった場合:
- 代金の支払いが遅延しても催促する根拠が弱くなる
- 納品物に問題があっても責任の所在が不明確になる
- 契約解除の条件が不利に設定されていても覆すのが困難
見落としがちなリスクポイント
1. 損害賠償条項
自社の損害賠償責任が無制限になっていないか確認しましょう。通常は、損害賠償の上限を契約金額や年間取引金額に制限する条項を入れます。
2. 契約解除条項
- 相手方だけが一方的に解除できる条項になっていないか
- 解除時の精算方法が明記されているか
- 解除の事前通知期間が適切か
3. 知的財産権の帰属
成果物の著作権や知的財産権がすべて相手方に帰属する内容になっていないか注意が必要です。特にデザインやソフトウェア開発の受託では重要なポイントです。
4. 秘密保持条項
自社の営業秘密が適切に保護される内容になっているか確認しましょう。秘密保持の期間が短すぎないかも重要です。
5. 紛争解決条項
裁判管轄が相手方の所在地になっていると、トラブル時に遠方の裁判所まで出向く必要があります。自社の所在地の裁判所を管轄にするよう交渉しましょう。
契約書チェックのタイミング
以下のタイミングで契約書のチェックを行うことをお勧めします。
- 新規取引開始時: 取引基本契約書の締結前
- 大型案件の受注時: 個別契約書の締結前
- 定期的な見直し: 既存の契約内容の更新時
- トラブル発生時: 契約条項の確認と対応策の検討
まとめ
契約書レビューは、トラブルを未然に防ぐための最も費用対効果の高い投資の一つです。弁護士による契約書チェックの費用は数万円程度ですが、問題が起きた後の訴訟費用や損害額と比較すれば、はるかに小さな投資です。
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